複数ドキュメント変更管理では、ドキュメント変更要求およびドキュメント変更管理オブジェクトを使用して、プログラム的で管理された方法で、ドキュメントのリリースや廃止を行うことができます。
管理者の設定に応じて、オブジェクト、フィールドおよびセクションのラベルが本文で説明されたラベルとは異なる表示となる場合があります。
Note: この記事の内容は、管理者が複数ドキュメント変更管理の設定で推奨される手順を踏んでいること、または Vault が初期設定を使用していることを想定しています。構成が異なる場合は適用しない情報があります。
手順の概要
組織が推奨される構成に従っている場合、変更管理でのドキュメント変更は以下のようなプロセスに従います:
- ユーザは、ドキュメント変更管理のオブジェクトレコードを作成することで、個別のドキュメントに対する変更申請を記録します。
- 変更管理者は、ドキュメント変更管理 レコードを作成し、それを 1 つ以上のドキュメントを追加します。変更管理者は、変更管理に含まれる各ドキュメントに変更申請 (なし、一部、すべて) を含めるよう選択することもできます。CrossLink は、複数ドキュメント変更管理からのルーティングをサポートしているドキュメントタイプではありません。
- ドキュメント著者は、変更管理に含まれる個別のドキュメントを編集します。必要であれば、これらのユーザはレビューワークフロー経由でドキュメントを送信します。ドキュメント著者のアクション、またはワークフローのいずれかによって、各ドキュメントはライフサイクルの変更管理承認の保留状態に移動します。
- すべてのドキュメントが変更管理承認の保留状態に入ったら、Vault はドキュメント変更管理レコードを承認の準備状態に自動的に移動します。
- 変更管理者は、ドキュメント変更管理レコードで承認ワークフローを開始します。一般にこのワークフローではさまざまなレビューが行われます。レビュープロセスが終了したら、変更管理は承認済み状態に移動します。
ドキュメント変更管理レコードが承認済み状態に入ったら、以下のアクションが自動的に発生します:
- 関連するすべてのドキュメント変更申請レコードが終了/キャンセルまたは終了/完了の状態に入ります。この状態で、レコードは自動的に無効になります。こうなると Vault は、変更管理制限から関連ドキュメントをリリースします。
- Vault は、関連するドキュメント変更申請レコードを自動的に承認済み状態に移動します。
- Vault は、ドキュメント変更管理レコードの値を使用して、関連ドキュメントのさまざまなフィールドを自動更新します。発生するアクション (リリースまたは廃版) と構成によって、Vault は提案された発効日、提案された廃版日、廃版承認済みを更新することができます。
- スケジュール済みジョブは、変更管理のドキュメントを自動的に適切なドキュメントライフサイクル状態に移動します: 教育訓練に発行済み、ライフサイクルの固定状態、ライフサイクルの廃版状態。
制御されるドキュメント
制御されるドキュメントは、ドキュメントフィールド変更管理のリリースおよび変更管理の廃版経由の有効なステータスであるドキュメント変更管理レコードに関連するドキュメントです。これらのフィールドはユーザには表示されませんが、ドキュメント変更管理詳細ページのリリースするドキュメントと廃版にするドキュメントのセクションにドキュメントが表示されるかどうかを制御します。
変更管理でのドキュメントの表示
ドキュメントが変更管理で制御されている場合、Vault はドキュメントが現在制御されている変更管理を示すバナーを表示します。以下の 1 つ以上の権限を持つユーザのみがこのバナーを表示でき、これらの権限のないユーザはドキュメントを更新できません。
- ドキュメントの編集
- フィールドの編集
- 注釈
- バージョン
変更申請を作成するには
変更申請オブジェクトのため、申請を作成するには、新規ドキュメント変更申請オブジェクトレコードの新規作成と、そのレコードのドキュメントへの関連付けが必要です。新規変更申請を作成するには:
- 変更を申請するドキュメントを特定します。
- ドキュメントタブ、ドキュメント情報ページ、検索結果のいずれかで、すべてのアクションメニューを開き、設定された関連レコードの作成ユーザアクションを選択します。このアクションのラベルはお使いの Vault によって異なる場合があります。
- 申請に関する詳細を記入します。ドキュメントから申請を作成する場合、ターゲットドキュメントフィールドに記入する必要はありません。Vault は、ユーザがアクションを開始したら、表示されているドキュメントバージョンを自動的に選択します。
- 保存をクリックします。
変更申請カスタムタブから変更申請を作成することもできます。このようにして作成する際には、ターゲットドキュメントフィールドの特定のドキュメント (バージョンを含む) を選択する必要があります。
変更申請を含める/除外するには
ドキュメント変更管理の詳細ページごとに、関連する変更申請セクションが表示されます。このセクションは、リリースするドキュメントまたは廃版にするドキュメントのセクションから変更管理にリンク付けされたドキュメントに対する変更申請を表示するよう自動的にフィルタリングします。
変更管理者として、ユーザは関連する変更申請レコードをレビューする必要があります。変更申請の削除を選択した場合、Vault はそのステータスを有効に変更します。関連する変更申請に一覧表示される変更申請のステータスは承認済みです。
詳細は、変更管理の作成をご覧ください。
変更管理を作成するには
変更管理を作成・設定するには:
- ドキュメント変更管理のカスタムタブ、または管理者 > 企業管理者のドキュメント変更管理に進みます。お使いの Vault によってカスタムタブのラベルが異なる場合があります。
- 作成をクリックします。
- 説明、理由および緊急などの基本詳細情報を追加します。
- 任意の作業: 変更管理の提案された実装日を選択します。承認が行われると、この日付はドキュメントに反映され、スケジュールされているジョブはその日付を使用して実装するタイミングを決定します。
- 保存をクリックします。
- レコード詳細ページからドキュメントを追加します。リリースするドキュメントを特定して追加をクリックします。選択ダイアログで、変更管理に追加するドキュメントの隣にあるチェックボックスを選択して、完了したら閉じるをクリックします。廃版にするドキュメントセクションでこのプロセスを繰り返します。ドキュメント変更管理の合計ドキュメント数は 100 件以下にする必要があります。
- 任意の作業: レコードの詳細ページから、ドキュメント変更申請レコードを追加します。関連する変更申請を特定し、追加をクリックします。ダイアログで変更管理への変更要求を選択して、完了したら閉じるをクリックします。選択した変更申請は、変更管理に関連づけられたドキュメントに関連する必要があります。
リリースするドキュメントの条件
リリースするドキュメントとして変更管理に追加するには、ドキュメントが以下の条件を満たす必要があります:
- ライフサイクルの固定状態に入っていない
- 既存の有効なドキュメント変更管理レコードにより制御されていない; ドキュメントが無効なレコードに添付されている場合、Vault は、有効なレコードに添付された際に、ドキュメントを無効なレコードから自動的にリンク解除します。
廃版にするドキュメントの条件
廃版にするドキュメントとして変更管理に追加するには、ドキュメントが以下の条件を満たす必要があります:
- 最新バージョンがライフサイクルの固定状態に入っていない
- 既存の有効なドキュメント変更管理レコードにより制御されていない; ドキュメントが無効なレコードに添付されている場合、Vault は、有効なレコードに添付された際に、ドキュメントを無効なレコードから自動的にリンク解除します。
変更管理下のドキュメントに対する制限
ドキュメントが現在変更管理に制御されている場合、その他の変更管理にあるリリースするドキュメントまたは廃版にするドキュメントにそのドキュメントを追加することはできません。管理者が設定していない限り、この他に変更管理下にあるドキュメントに対する制限はありません。
変更管理を承認するには
変更管理を承認する前に、リリースするドキュメントの各ドキュメントがライフサイクルの変更管理承認の保留状態にある必要があります。これが起こると、Vault はドキュメント変更管理レコードを承認の準備状態に移動します。変更管理に廃版にするドキュメントのみが含まれる場合 (リリースするドキュメントなし)、ドキュメント変更管理レコードを承認の準備状態に手動で移動する必要があります。
変更管理を承認するには:
- お使いの Vault の管理者が設定した承認ワークフローを使用します。レコード詳細ページのワークフローアクションメニューからドキュメント変更管理レコードにワークフローを開始することができます。管理者の設定によっては、このアクションがすべてのアクションメニューにある場合もあります。
- すべてのアクションメニューの関連するすべてのドキュメントを表示を選択して複数ドキュメントビューアを開きます。
- 複数ドキュメントビューアで、完了をクリックして変更管理を承認します。この時点で電子署名を提供する必要がある場合があります。ワークフローが電子署名のカスケードシステムアクションを使用している場合、制御されるすべてのドキュメントにこの電子署名が適用される場合がるため、タスクダイアログに提供されるすべての指示を慎重に確認するようにしてください。