単一ドキュメントの変更管理機能を使用すると、新規ドラフトの作成、ドラフトの固定状態への移動 (使用向けのリリース)、または既存・承認済みドキュメントの回収のプロセスを管理できます。管理者がこの機能を有効化すると、Vault はお使いの Vault に、ライフサイクル、ドキュメントタイプ、ドキュメントフィールドを含むさまざまな設定を追加します。管理者は、これらの初期設定の大半を変更できます。

管理者の設定に応じて、オブジェクト、フィールドおよびセクションのラベルが本文で説明されたラベルとは異なる表示となる場合があります。

変更管理プロセスについて

単一ドキュメントの変更管理プロセスは、2 つのドキュメント間の関係を作成することで機能します。第一のドキュメントは、変更を加えたいドキュメントです。標準ドキュメントタイプのドキュメント変更管理を使用する第二のドキュメントは、変更管理リクエストを開いたら自動的に作成されます。

ドキュメント変更管理タイプでドキュメントを作成してから、変更ターゲット関係を設定して、手動で変更を設定することも可能です。

特定のドキュメントタイプで変更管理が有効化されると、下書きの作成オプションは利用できなくなり、変更管理を開くオプションと置換されます。変更管理を開くアクションを表示するにはバージョン権限が必要です。

構成要素

変更管理がオンになると、Vault は自動的に各種構成要素を Vault に追加します。これらの要素は削除や無効化はできませんが、ビジネスプロセスに応じてカスタマイズすることは可能です。これらの構成要素は、単一ドキュメントの変更管理にのみ適用されます。

  • ドキュメント変更管理ドキュメントタイプ: このドキュメントタイプは変更管理ドキュメントに適用されます。ドキュメントタイプ自体は削除できません。変更ターゲット関係でソースになり得る唯一のドキュメントタイプです。
  • ドキュメント変更管理ライフサイクル: このライフサイクルは、ドキュメント変更管理タイプのドキュメントに適用されます。
  • 「ドラフトの作成には変更管理が必要」設定: この設定は各ドキュメントタイプに表示され (ドキュメント変更管理以外)、当該タイプの変更管理を有効にします。デフォルトでは、どのドキュメントタイプにも設定は有効にされていません。これにより、ドラフトの作成に変更管理の使用が義務付けられます。この設定なしに、ドキュメントタイプに対して手動で変更管理を作成することも可能です。
  • 変更ターゲット関係タイプ: ユーザがドキュメント変更管理を開くと、Vault は、変更するドキュメントを関係のターゲットとして、変更管理ドキュメントにこのタイプの関係を自動的に作成します。現在、関係タイプは構成できません。
  • 以前の変更ターゲット関係タイプ: 変更管理が完了すると、Vault は変更ターゲット関係を削除し、変更されたドキュメントの最後の関連バージョンを関係ターゲットとして使用し、このタイプの関係を作成します。以前の変更ターゲット関係から、ユーザは変更管理を再度開くことができます。現在、関係タイプは構成できません。

デフォルトの単一ドキュメント変更管理ワークフロー

上記の構成要素に加え、Vault は、カスタム構成の起点として使用できるデフォルトワークフローと関係設定のプロビジョニングも行います。

ワークフロー

  • 変更ドキュメント承認: これは標準的な変更承認ワークフローで、下書きの作成アクションを実行する前に品質チームから承認を得ます。
  • 緊急変更ドキュメント承認: このワークフローでは、品質チームの承認プロセスを迂回し、下書きの作成アクションを実行する前にワークフロー所有者に電子署名を求めるメッセージを表示します。
  • ドキュメント回収承認: このワークフローではドキュメント変更承認と同じプロセスをたどりますが、ワークフロー完了時に回収アクションを実行します。

ドキュメントフィールド

Vault は、ドキュメント変更管理ドキュメントタイプに各種デフォルトフィールドを適用します。ドキュメント変更アクションを除き、これらのフィールドは参考情報にすぎません。デフォルトでは、Vault はドキュメント変更アクションフィールドを使用して、ユーザアクションとして利用可能なワークフローと変更管理承認時に取るべきアクションを決定します。

ワークフロー手順

変更管理機能が有効化されている場合のみ利用できる変更管理アクションワークフロー手順では、変更管理ドキュメントのワークフローで変更ターゲットドキュメントに対するアクションを実行できます。利用可能なアクションは限られています。下書きの作成ステータスを廃止状態に設定、およびステータスを固定状態に設定です。ワークフロー手順で実行されると、Vault は、高度な権限と特別監査を使用して、変更ターゲットドキュメントに対して選択アクションを実行します。管理者は、ワークフロー手順を設定して、影響を受けるドキュメントの所有者に通知することもできます。この手順の実行中、ワークフロードキュメントには、アクションや変更は一切発生しません。